2016年04月23日

「キングスマン」〜オスカー俳優コリン・ファースに尽きる?

ココ


いやー、何年ぶりかと思うほど映画を観ていなかった。自分のブログを見返してみると、レンタルで借りて映画を観たのが1年くらい前、映画館に行って観たのはなんと一昨年の末ではないか。昨年来、義父が亡くなったり、引っ越ししたり、義母を迎え入れたりと映画どころの騒ぎではなかったからだが、『映画を観たい』という欲求自体も昔に比べて薄れてしまったのかもしれない。歳をとったのか、寂しい限りである。で、そんなボクが久しぶりに映画館に行って観たのは、「キングスマン」という映画である。

なぜこの映画を選んだのか。映画でも観ようとネットを眺めていたのだが、いまは観たいと思う映画はやっていない。そんな中、監督と主役をみて面白いかな、と思って昨秋公開されていたらしいこの映画が再映(?)されているのを見つけたのだ。

「キングスマン」の監督はマシュー・ボーン。彼の撮った「キック・アス」という映画はTVでやっているのを観て、けっこう楽しく観ることができた。彼が監督している「X-MEN」や「ファンタスティック・フォー」といった作品は、ボクの好みではないので観ていないが、今回の映画はけっこう「キック・アス」のセンスを感じさせるということだったので観てみようと思ったのだ。

「キングスマン」の主役(違う?)はコリン・ファース。ボクは彼のでた「シングルマン」が大好きだ。その後にでた「英国王のスピーチ」ではアカデミー主演男優賞をとっていちやく“ときの人”となったが、ボクは「シングルマン」の苦悩する彼のほうが好きだ(英国王もよかったけどね)。「キングスマン」で彼が演じているのは、ジェームズ・ボンドばりのスパイということだったので、ボクの好きなコリン・ファース(?)が見れるのではないかと思って期待して観た。

観ようと思ったのにはもうひとつの理由があった。それは、タランティーノの「ジャンゴ/繋がれざる者」で見事な演技を見せてくれたサミュエル・L・ジャクソンが、また悪役として怪演しているらしいと知ったこと。「キングスマン」がどんなタッチのスパイ映画かは知らないが、悪役に魅力のある映画は面白くなるに決まっている、というのがボクの勝手な思い込みだから。コリン・ファースとの対比も楽しみであった。(なんとなく予想はつくけどマイケル・ケインも楽しみだった)

以上のような期待要素をもった「キングスマン」ははたして面白かったのか? とても楽しい映画だった。「007」シリーズなんかとは異なる、ましてやジョン・ル・カレの「誰よりも狙われた男」(フィリップ・シーモア・ホフマン最高!)のようなシリアスなスパイ映画とはまったく別物の、娯楽映画として本作はよくできた作品だと思う。好みか?と聞かれれば実はそうでもなかったが、最後まで飽きずに楽しませてくれる、一級のエンターテインメントになっていた。

この映画でボク個人がもっとも評価すべきと思ったのは、監督の手腕でもなく、サミュエル・L・ジャクソンの悪役っぷりでもなく、ただコリン・ファースの存在感であった。「キングスマン」という作品は、随所に有名作映画のオマージュを忍び込ませながらも、プロット自体はちゃちで安っぽいものだと思う。そんな映画が、薄っぺらな娯楽作品を超えてしっかりエンターテインメントしているのは、ひとえにコリン・ファースの存在感の重さであるとボクは感じた。 007/ジェームズ・ボンドは英国MI6のエージェントの話だが、映画は米国ハリウッド以外のなにものでもない。MI6ではないが、同じ英国を舞台とした本作は、コリン・ファースの存在感によって英国らしさを、皮肉な意味も含めて英国紳士を描いていて、映画に味わいと深み(というほどじゃないけど)を与えていると思った。ちゃらい米国人、サミュエル・L・ジャクソンとの対比もあって、よけいにそのことは強調され、たぶん原作者や脚本家、監督の意図した以上の効果をもたらしているとボクは思う。

逆にちょっと懸念するのは・・・この映画、シリーズ化されるらしいが、どうなのだろうかということ。この映画の物語としての主役はタロン・エジャトンという青年だが、彼の物腰風貌はいまどきの若者であって、イングランドを感じさせるものではない。次作以降は、マット・デイモンのジェイソン「ボーン」シリーズみたいになってしまうのではないか(シリアスでなくスラップスティック調という違いはあるけど顔が似ていると思うのだが?)、と思ったりする。まぁいらぬ心配よけいなお世話ではあるけど・・・・。

作品とはまったく関係ないが、今回ボクは知らないうちに“MX4D”というものを体験していた。たまたま本作をやっていたTOHOシネマズが展開している、体感型シネマというものらしい。以前「ゼロ・グラビティ」で3D映画を体験したが(あれはとても良かった)、またこの映画もメガネをかけて観るのかと思ったら、MX4Dとは遊園地のアトラクションのごときであった。スクリーンのシーンに合わせて、イスは揺れるは、背中をど突かれるは、水しぶきは飛んでくるは、フラッシュは瞬くは、ほのかに香りはするはで、とても忙しい。幸い「キングスマン」は娯楽作品だったので、それほど邪魔にもならず、楽しい映画をいっそう楽しくしてくれた。観る映画にもよるが、いちど体験してみる価値はあるように思う・・・500円も高いのはちょっとヤだけど。しかし、ホラー映画など恐がりのボクなんかは、ショッキングなシーンで背中をど突かれたら、心臓が止まってしまうかもしれない。本作のような映画でたまたま体験できてラッキーだった。ホントに。

posted by なすぱぱ at 08:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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